« 第68話:【美緒と董馬】~その8 | トップページ | 第69話:【美緒と董馬】~その9 »

2013年12月24日 (火)

【ひり恋】~X'mas special love story

300x402xacbcf7a32a1b58ffda870f3a_2

 

右へ左へと蛇行した細い坂道を、車はゆっくりと登ってゆく。体勢は自然とシートに押さえつけられるようになり、坂道の傾斜分の重圧がのし掛かったのか、膝がわずかに痙攣した。

 

そんな董馬(とうま)の動揺を鋭敏に伝播したのか、アクセルペダルから捻出された出力が息切れを起こした。エンジンがウウン、ウウンとうなり、あやうく走行が途中で中断されそうなほど車の速度が低下した。助手席に座っている沙絵(さえ)が心配そうに「先生、大丈夫?」と聞いてきた。董馬は「うん」と勢いで返事をした。

 

道路脇には、今年分の紅葉を終えて落葉した葉がちりぢりに撒かれている。車道の範囲まで伸び出た樹木の枝葉がつくった影が、フロントガラスに映る視界から明瞭さを奪っていた。あと数十分もすれば日が暮れて、この道路や、道路の終点である山頂にも夜の帳が落ちて、あたり一帯が闇に包まれる。

 

「今、何時?」
「んーとね、五時」

沙絵は、携帯電話の待ち受け画面に表示されている時間を読み上げた。

「五時か、五時五時」

董馬はブツブツと五時を連呼する。たぶん無意識だろうと沙絵は思った。董馬はきっと時間のことなど考えていない。頭の中は運転のことでいっぱいなはずだ。

「先生、うるさいよ。五時ばっかり」

沙絵が叱るように言うと、董馬が「あ、もうすぐ着く」と答えた。会話が成立していないと沙絵は思った。でも、そんなところも董馬らしいからいいじゃないか、と一人納得した。許すのはいつも女の方だ。

 

カーナビでは、現在地を指し示す矢印が迷子になったように小刻みな移動を繰り返していた。でも、それはけっして方向を見失っているわけではなく、移動経路上の小さな範囲で重なり合った坂道の連続が、やむを得ず矢印に挙動不審な動きを要求しているだけだった。

 

「あ、着いた。駐車場だ」
「どこ?」

 

董馬が「ほら」と指をさした。同時にカーナビから音声案内終了のアナウンスが流れた。フロントガラスの向こう側にきれいに舗装された平らな駐車場があった。駐車場はこぢんまりとしていて、さびれた外灯が虫も寄せ付けないほどのか弱い光を地面に落としていた。

 

「よかったぁ、空いてて」

 

董馬は、ホッと胸を撫で下ろした。せっかく遠出をして、慣れない運転をしてここまで来たのだから、目的地には確実に到着したかった。

 

来る途中から始まった本格的な道路の傾斜も、噂通りの曲がりくねった細道も、自分なりに懸命に運転して来たつもりだった。ただただ対向車が猛スピードで坂を下って来ないことを祈りながら。

 

出発前に、沙絵が「先生、私が運転しましょうか?」と言ってくれたが、沙絵は夜勤明けだったこともあり無理をさせるわけにもいかず、董馬が「僕が運転する」と意地を見せたのだ。

 

そんな董馬もほぼ徹夜明けだった。

 

締め切りが間近に迫った原稿を仕上げる必要があり、翌日に、沙絵と出かける予定があることを承知していたものの、やはりこの状況で執筆を止めることは不可能に近いと判断して、やむを得ず夜通しで机に向かっていた。

 

結局、董馬は明け方に布団に入り、数時間の仮眠を貪ると、午前中には起床して身支度を整え、途中ガソリンスタンドで給油を済まし、沙絵の自宅へと向かった。

国定公園さながらの雄大な並木に囲まれた睦月(むつき)家の私道を進むと、やがて高い城壁に囲まれた睦月家の広大な家が見えてきた。

 

ここに来るのは初めてではないが、何度見ても沙絵の自宅は豪邸すぎて董馬はいつも圧倒された。

 

董馬は車を停めて、外に出ると門前で沙絵が出てくるのを待った。外は冬の匂いがしていた。空はまだ青みがかっていて、見ているとすがすがしい気になるが、天気予報によると今日は夜になると雪が降るらしい。

 

ホワイトクリスマスだ、と董馬は思った。

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

駐車場から展望台までは獣道のような、ゆるやかな林道が伸びていた。林道は狭く人が二人並んで歩くのが精一杯の幅員だった。

 

「こんな道とは知らなかった」

 

董馬は、林道の入口に立つと悲鳴まじりに言った。

 

視線の先にある林道は灯りもなく道の全体も闇に包まれていて全貌が見えず董馬の心を不安にさせた。季節外れの虫の声や、風が吹くときに葉が擦れる音が、いやがうえにも自然の一端に足を踏み込んだということを意識させる。

 

董馬は、隣に立ち、同じように黒い林道を見つめる沙絵に声をかけた。

 

「行けそう?」
「うん、行くよ」

 

沙絵は力強く言った。董馬は肩をすくめた。沙絵の力強い回答が意外だったからだ。怖くないのかな、と思う。

 

「でも真っ暗だよ」

 

「そうだね」

 

「さえちゃんは目が悪いし、石や段差につまずくかも」

 

「ありえる」

 

「それに寒い」

 

「私はへーき。寒くない」

 

そう言って、沙絵はニット帽を自分の手で叩いた。

 

「超、完全防備。バッチリ」

 

沙絵は、親指を董馬の眼前に突き上げた。大きなマフラーに包まれた沙絵の顔が得意げに上気する。

 

「じゃあ、行こうか。たぶん10分も歩けば頂上に着くはず。着けばそこに展望台がある」

 

「あ、先生忘れてるよ」

 

「なにを?」
「奥さん」

 

沙絵は、事もなげに言った。

 

以前は口にするのに抵抗があった言葉だが、今は慣れてしまったのか、特に意識することなく董馬の亡き妻の遺骨と遺灰が入った骨壺の話題に触れることができるようになった。外出するのに財布と携帯を忘れないように、と注意するのと同じぐらいの軽い気持ちで言えた。

 

董馬は、沙絵の指摘にううん、と黙考し、それから「今日はいいよ」と言った。

 

「いいの? いつも一緒でしょ」

 

「今日は、さえちゃんだけ居ればいいから」

 

沙絵は、ふうんと、気の抜けた返事をした。が、内心は嬉しかった。

 

「転んだら、助けてくれます?」

 

「もちろん」

 

「足をくじいたら、私をおんぶして頂上まで運ぶんですよ」

 

「え? そういうときはすぐに下りないと」

 

戸惑う董馬の様子がおかしくて、沙絵は小さく笑った。

 

「とにかく、転ばないように気をつけて歩くんだよ」

董馬がたしなめるように言った。

 

「私が転ばないように、先生が気を遣ってください」

 

沙絵は真剣な目で董馬を見つめた。外灯の光は弱々しく、風が吹くたびに光陰の狭間が揺れた。

 

董馬は手を差し伸べた。その手を沙絵がしっかりとつかんだ。

 

「うむ、よろしい」

 

沙絵は威張った口調で言った。

 

「どこのお姫様?」

 

「うっさい。はやく引っ張って」

 

董馬は「やれやれ」と言って、沙絵の腕を引っ張るように林道を登り始めた。

 

董馬は、指先を絡めたまま沙絵の手のひらをジャケットのポケットに突っ込んだ。ポケットの中で沙絵の指先から放出された体熱が充満した。

 

「先生」

 

「うん?」

 

「離さないでね、手」

 

「離すもんか」

 

董馬と沙絵は、ゆっくりと頂上を目指して歩いた。

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

登り始めてすぐに日が落ちて、夜気が舞い降りた。

 

照明がまったくない真っ暗な林道を、董馬と沙絵は突き進んだ。

 

砂利が敷き詰められている細いスロープ形状の林道は、思ったよりも歩きやすく、暗いことだけを除けば難所ではなかった。

 

董馬は持参した小型の懐中電灯で足元を照らしながら歩いた。

沙絵は、いつのまにか董馬と腕を組んで歩いていた。距離を空けて歩くよりも、少しでもくっついていた方が暗い夜道では歩きやすかった。

 

林道が終わった。終点である小高い丘の頂上は、丈の高い草木もなくまるで人工芝を植えたような整然とした野原になっていた。

 

標高約200メートルの頂上には人っ子ひとりいなかった。静寂が風の音を運んできて、林道に沿って生えた常緑樹の枝葉を寒波とともに揺らした。

 

董馬は靴の底から這い上がる寒さが海から吹く風によってもたらされていると直感した。

 

頂上の中央、そこはちょうどこぶのように隆起していた。董馬は沙絵と腕を組んだまま、吸い寄せられるように、そのこぶに歩を進めた。

 

こぶの上に登った。

 

「わあ!」

 

沙絵が歓声をあげた。

 

「すごいっ! すごい! すごい!」

 

沙絵は、無意識のうちに、董馬の腕を力強く引っ張っていた。

 

眼下には広大な夜景が拡がっていた。網の目のような街並みのすべてが光り輝いていた。

 

Photo

絶景として有名だが、展望ポイントにたどり着くまでが難所とも言われている、県内でも屈指の穴場な夜景スポットだった。

 

夜景は四面に拡がっていた。360度全方位それぞれちがった街並みを眺望でき、小さな光の粒子の群れが、まるで蛍が集う宿場のようにまぶしいほどの生の営みを放出させていた。

董馬は、眼下の夜景に目を奪われて、言葉を失っていた。

圧倒的な光源だった。

そのひとつひとつの光の軒下で人間が日常を重ねている。

 

家屋から漏れた光には、満ちあふれた家族愛が垣間見られ、点滅を繰り返し、泳ぎ続ける光の帯からは、刻々と居場所を求め続ける人間の行動力が感じられた。

 

董馬は、南北に伸びた太い光の帯を指さした。

 

「あれは、ここに来るまでに通ってきた道路だね」

 

「あの長いやつ?」

 

「そう。あれが国道。その奥で横に伸びているまっすぐなライン。あれが新幹線の線路だね。東海道新幹線」

 

董馬は、ずっと手前を指さした。

 

「手前に流れている光の帯が線路。たぶん小田急線」

 

「先生、詳しいね」

 

「そうかな。普通だと思うけど」

 

「私、ぜんぜん分かんないよ。今見えている夜景がどの街なのか、とか。どれが道路で、それが線路だとか」

 

「方角は分かる? 東西南北」

 

「ぜんぜん」

 

沙絵は、首を横に振った。懐中電灯の光を浴びて反射した白い息が、雲のように右から左へ流れた。

「あっちが東京。こっちに果てしなく行くとおそらく日本海。そしてこっちが関西とか九州とか…つまり西。そして…」

 

董馬は後ろを振り向いた。風が正面からあたる。

「こっちが太平洋。海だね」

 

Photo_2

沙絵が『海』という声に反応して振り向くと、急に潮のにおいが鼻にまとわりついた。それは眠気を覚ますのには格好な、活力のある、挑戦心に満ちたにおいだった。海は挑戦という言葉を連想させる、と沙絵は思った。

 

「絶景ですね」

 

「だね」

董馬がうなずく。

 

董馬は、初めて訪れる場所だったので予備知識もなく、林道を登っているあいだは不安な気持ちでいたが、そんな不安も払拭するような絶景が頂上で待っていることに感動を覚えた。

 

「私、来て良かった」

 

董馬は沙絵の言葉で、ホッと胸を撫で下ろした。

 

「でも、どうして夜景なんですか?」

 

「どうして、って言われても…」

 

「先生、今日はクリスマスですよ?」

 

「そうだね」

 

「クリスマスに夜景?」

 

「そうだね」

 

沙絵は、クスッと笑った。董馬の腕に身体を預けた。

 

「先生、クリスマスに夜景を見る人なんていないですよ。普通ならイルミネーションとかじゃないですか?」

 

「イルミネーションは誰かがスイッチを入れれば、いつでも見られる。でも夜景は光を灯す人が、その光の下で生きていないと灯らない」

 

「生きていないと?」

 

「そう。夜景で見える光には、人間が今日も生き延びているという確固たる証拠なんだよ。そんな人間の生命の息吹がいっぺんに見られるなんて素敵じゃないか」

 

「先生、それ…どっちにしてもクリスマスに関係ない」

 

 「そういう夜もある」

 

沙絵は、微笑んだまま董馬を見上げた。脇の下から見上げた董馬の表情は、寒さに耐えているのか感動しているのか分からないが、小刻みに震えていた。

 

 震えているけど、寒いの?」

 

「いや、ふたついっぺんに襲われて身体が動揺しているんだ」

 

「ふたつって?」

 

「寒さ」

 

「あとひとつは?」

 

「緊張」

 

沙絵は小首をかしげた。またわけの分からないことを言い出した、と思った。

 

「なんで緊張? 分かった! 暗くて怖いんでしょう? この場所が」

 

「ちがう」

 

「じゃあなに?」

 

「さえちゃんが、くっついているから」

 

「それマジで言ってるの?」

 

「震えながらジョークを言う余裕は、僕にはないよ」

 

沙絵はプッと吹いた。おかしくて大声で笑い出しそうだった。

 

「なんか今日は中学生みたいですね、先生」

 

「こんな老けた中学生はいない」

 

「先生は大人?」

 

「そうだね。少なくともさえちゃんよりも長く生きている分では、十分に大人の人間かな」

 

「よく考えたら、先生は私のことは子どもの頃から知っているんだよね」

 

「だね」

 

董馬は、笑った。そして、まだ中学生だった頃の、あどけない沙絵の姿を思い浮かべた。そして沙絵も、まだ塾講師をしていたときの董馬の姿を思い出していた。

 

「あの頃と比べて、私は大人になったかなぁ…」

 

「誰かのために自分を犠牲にして、なにかを与えようとする、そんな心が人を大人に導く。さえちゃんにそれができるかな」

 

沙絵は、董馬を見つめた。董馬の横顔には、自分がまだ経験をしたことがないであろう、人生を逼迫してしまったいくつかの危機を乗り越えたような壮観な心情が読み取れた。

 

董馬が言った。

 

「でも、さえちゃんなら大丈夫。この夜景のように素敵な大人になれるよ」

 

「本当に?」

 

「あぁ本当だ」

 

沙絵は、安心して董馬の腕に頬を寄せた。

 

董馬が沙絵の肩を優しく抱いた。小さな肩だった。折れてしまいそうなくらいに沙絵の肩は薄かった。

 

風が吹いた。

眼下に拡がる夜景が微弱に揺れた。

 

遠くから空気を切り裂くような金属音が響いた。董馬と沙絵の目の前で光の塊が横一線に並んで、さぁっと流れた。

 

「新幹線」

沙絵が言った。

 

「だね」

 

「先生は、好きですか?」

 

「なにが? 新幹線?」

 

「私のこと」

 

「え?」

 

「私のこと、好きですか?」

 

「それはどういう意味で?」

 

「意味なんてないです。好きかどうか聞いているんです」

 

「はぁ…」

 

「あ! でも『こうして、ふたりきりでいるんだから好きに決まっているだろう』なんてセリフは認めません。男ならハッキリ言うべし!」

 

沙絵が声を荒げた。

 

「あ…じゃあ好き、かな」

 

「ダメ。ぶっぶー」

 

「へ?」

 

「あのね『じゃあ』とか『かな?』なんて言葉もいりません。好きか嫌いか、それだけ言って下さい」

 

沙絵は、董馬の正面に立った。困ったような表情を見せるのは董馬の癖だったから気にはしなかった。沙絵は董馬の次の言葉を待った。

 

数秒の沈黙のあと、董馬が言った。

 

「好き」

 

「誰が?」

 

「へ?」

 

「だから、柊木董馬は、誰のことが好きなんですか?」

 

「え…こんな無理矢理っぽい感じ?」

 

沙絵はムッとした表情を浮かべて、董馬のお腹をボスッと殴った。

 

「先生のいくじなし」

 

董馬は笑った。そして沙絵の頭をポンポンと撫でた。風にあおられて、こまかく散っていた沙絵の前髪を董馬は指先で優しく整えた。

 

「睦月沙絵のことが好きだよ」

 

「本当ですか?」

 

「大人に二言はない。今日みたいに約束は守る」

 

「約束?」

 

「なんだ、覚えてないのかい?」

 

「どういうこと?」

 

「さえちゃんが言っていただろう。みんなありきたりなクリスマスとかばっかりだから、いつかは誰もやらないクリスマスを過ごしてみたいって。挑戦してみたいって」

 

「挑戦」

 

「そう。誰でも新しいものに触れるのは怖い。だけど、進化は挑戦の繰り返しから為っている。楽しいことでさえも挑戦を忘れてはいけない。僕は、自分もさえちゃんも一緒に挑戦できる、そんな楽しいクリスマスができないかって…そう思って、今日この場所に来ることを選んだんだ」

 

「そうだったの?」

 

沙絵は驚いた。何気に放ったひと言を、董馬がここまで真剣に考えているとは思わなかったからだ。

 

「光を見たら、人は安心する。それは生きているからだ。僕はね、さえちゃんに『生きている』ことを実感してもらいたくて、ここに連れてきたんだ。ひょっとしたら僕のエゴかもしれないけど、それでも…」

 

董馬は、沙絵を見つめた。そしてニッコリと微笑んだ。

 

「一緒にこの夜景が見られて、とっても良かった。最高のクリスマスだ」

 

「先生…」

 

「ちょっとセコいデートだったけどね」と言って、董馬は自虐的に笑った。澱みのない澄んだ笑い声だった。

 

「先生ちょっと」と言いながら、沙絵が、董馬の腕を下にぐい、と引っ張った。

 

董馬の身体が傾く。

 

沙絵は、董馬の身体を支えるようにして、そしてキスをした。

 

唇が離れると、沙絵は恥ずかしそうに顔を赤らめた。目を瞑る。まぶたの裏に残光があった。夜景の輝きだった。

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「先生、このあとどうするの?」

 

沙絵はいたずらっぽい笑みを浮かべて聞いた。

 

「え? 帰るけど」

 

「ぶっぶー」

 

「じゃあ食事を…」

 

「ぶっぶー」

 

沙絵はファイティングポーズをとった。董馬をジロリと睨みつける。

 

「明日、私は休みなんですよ?」

 

董馬は肩をすくめた。

 

「朝まで、さえちゃんと一緒にいます」

 

「うむ、よろしい」

 

沙絵は、笑った。董馬は「やれやれ」と大きな息をひとつ吐いた。

 

沙絵が言った。

 

 

 

「そういう夜もあるんです」

 

 

 

くちびるが重なる。

 

重なったくちびるから漏れた息が、夜空に吸い込まれてゆく。

 

夜空に混ざった吐息が白い塊となって、星の光を背負い董馬の頭上に振ってきた。

 

雪だった。光る雪だった。

 

 

 

(終わり)

 

★二つのブログランキングに参加してます。続きが気になる方、応援してくれる方はクリックしてくれたら嬉しいです。
↓↓↓↓
にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ
にほんブログ村

恋愛小説 ブログランキングへ
 

★日常を綴った散文ブログ。ほぼ日刊。
いくじなし。

« 第68話:【美緒と董馬】~その8 | トップページ | 第69話:【美緒と董馬】~その9 »

クリスマス特別ストーリー」カテゴリの記事

コメント

どきどきしながら、読みました。
こんな、クリスマスもいいなぁ~( 〃▽〃)
あとは、夜景が綺麗!!
久しぶりに綺麗な夜景が見たいなぁ~って思いました♪

はじめまして。

相互リンクのお誘い、ありがとうございます。
yahooのアドレスにメール返信したのですが、
なぜだか戻ってきてしまいます。

ブログのイラスト、可愛いですね(*´ω`*)
私の方はリンク追加しておくので
よろしくデス♪

お互いがんばりましょーヽ(´▽`)/

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 【ひり恋】~X'mas special love story:

« 第68話:【美緒と董馬】~その8 | トップページ | 第69話:【美緒と董馬】~その9 »