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2013年8月29日 (木)

第52話:【史佳】~その12

★第51話はコチラ

楽しいことって何だろう?
友達と遊ぶこと?
カラオケ行ったり、おしゃべりしたり、学校の休み時間にふざけ合ったり、長電話したり、毎日のようにメールしたり、毎月ちょっとずつ貯めたお金で、いつかディズニーランドに行く予定を立てたり、テレビに出ているジャニーズの男の子たちを観て「カッコイイ」って思ったり、「ほら、テニス部の○○君ってヤマピーに似てるよね」なんて「うそうそ、イマイチじゃね?」とかアンタが騒いでも、そのもどきのヤマピーは別にアンタには振り向かないんだよ。ばーか。ちょっと変わった子だったら、お笑い芸人が好きだと猛烈にアピールしたり、もっともっと変わってるって言われたい子は、まだまだ露出が少ない、何? あれ、なんて言うの? ジュニア? ジュニアだっけ? 小学生か中学生くらいのイケメン予備軍みたいな男の子を好きになったり。いやいや何遍も言うけど、アンタがいくらキャーキャー騒いでも、そのジュニア、ん? 二世じゃないよ。そのイケメンって意味のやつね。とにかく騒いでも無駄なの! 絶対にアンタが選ばれるわけないんだから。分かってやってるんだ? だったら良いけど。あぁ、アタシね嫌いなんだよね。この冒頭に「だったら」って付ける言い方。って今、普通に使っちゃってるけどね。すごい上から目線に思えちゃうし、たまに口が回らなくなるの。「だっだだ!」ってね。口が回らなくなるような言葉なんて、なんで存在するんだろう? 要らないよね。基本は要らない。世の中には要らない言葉が多すぎるって思わない? あぁ思わないんだ。ふぅん。まぁ別にいいけどね。毎日しゃべらなくちゃいけないから、何が必要か何が不必要かなんか考えていたら身が持たないよね。それでね結局、今朝はすっごい体調が悪くて、もう学校は休んじゃおうかと思った。仮病じゃないよ。病気でもないけど、ほら、言わなくても分かるでしょ? アレよアレ。女の子が月に一度憂鬱な気持ちになる日。アレが来ちゃったの。急にね。いつもは予兆みたいなものがあるんだけど今月はなかった。横になるのも気持ち悪いし。気分じゃないよ。肌。健康体の証拠だとは言うけど、いつまでこんな月一度の恐怖に怯えながら暮らしていかないといけないんだろう、って思う。歳をとらないと終わらないんだよね。歳って、アタシたちから考えたら結構先の話だから、ぜんぜん具体的に映像が浮かばないんだけど。だけど、アタシのね、親戚にね、最近に結婚したひとが居るんだけど、女の人。アタシより五つくらい上。歳が。だから20歳か。もうすぐ21かな。その親戚のお姉ちゃんが結婚したの。あ、ごめん。もう言ったよね。そう結婚したの。でね、子どもができたから結婚したっていう、いわゆるできちゃった結婚。デキ婚。それで結婚式があって、一緒に新郎新婦が入場ってやるでしょ。パンパカパーンって。あ、ジャジャジャジャーンか。そのときに自分の子どもを抱いて、入場してきたの。よくあるじゃん、そういう披露宴って。でもね、あ、アタシもその結婚式に出席したんだけど、すごい嘘くさいの。嘘くさいっていうか変。なんか変。なんかよく分かんないけど変。ちょっと白ける。なんか幸せそうにドレス着て、新郎はタキシードで自分の子どもを抱っこしてるんだけど、お姉ちゃんたち、絶対にアタシくらいの年齢のときは、子どもを抱っこしてパンパカパーンって入場するなんて想像もしてなかったはずなのに、今はニコニコ笑ってるの。すごい嬉しそうに。いやいや笑ってる場合かって。だって自分の想像とぜんぜん違った人生になちゃったんだよ? 普通はオロオロしない? うわ!どうしよ! って悩まない? なんでニコニコ笑ってられるの? 子どもがいるから? 笑って手なんか振らなくていいから、まずは頭下げろって。親とかこれから迷惑かけそうな人に向かって頭下げろって。旦那さんもこれから家族を養っていかないといけないわけでしょう。だったら自分を雇ってくれてる会社の人なんかに頭下げろって。どうか頑張りますんで、家族を養わないといけないんで、どうか僕をクビにしないで下さいって。夫婦そろって頭下げろって。この子を、この天使を育てないといけないので仕事を下さい! って。まぁ、その子どもが自分のことを天使なんて思ってるかどうか本人に聞かないと分からないけど。天使じゃねぇよ、人間だっつーの。バカ親が。って思ってるかも。結婚式だからって、幸せそうな私たちを見て見て! 祝福して! 賞賛して! 褒めて褒めて! 綺麗と言って! 言って言って! 分かった、分かったからお前ら、ちゃんと選挙行けよ。やることないならギターでも弾いて、火をつけてみんなで肩組んで横揺れしながら歌えばいいじゃん。みんな仲良くって、友達百人作ろうって、うっす。その友人関係うっす。薄すぎる。
んで、何だっけ? 
ねぇ先輩。アタシに何か話があったんじゃないの?

 

史佳は、しゃべり終わったあとに小首をかしげて微笑んだ。
山下先輩は、ひえー! と叫びながら、ダッシュで逃げていった。下校を促すチャイムが鳴っていた。

 

(第53話へ続く)

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